補聴器に関する情報一覧

 

1 両耳効果

 

  (ァ) 方向定位「先行音効果」

 

(イ) 音の広がり感「音に包まれた感じ」と音源そのものが拡がった感覚「みかけの音源の広がり」

 

 

 

2 耳介の効果ー収音と方向覚

 

耳殊の効果に関する研究 本田学(耳鼻臨床、78:1;789801,1985)の論文

 

耳珠の外耳の機能に果す役割について実験を行った所,以下の結果を得た.

 

1)耳珠は,耳甲介と共に外耳道の音響的な長さを長くする働きがあり,外耳道の共振周波数を低い方に移行させ,中耳の機能を補う外耳の機能をより有効なものとする実験結果が得られた.

 

2)耳珠は,耳介の集音共鳴作用を助け,方向知覚や聴覚における子音の弁別に必要な周波数域の利得を上げる働きがあり,耳介の機能の一部を担うと考えられるという結論が得られた.

 

3)耳珠は,外耳のホーン作用に働き,聴覚に重要な8KHz以下の周波数域において,より有効なホーンの形であるExponential hornに近い特性を得る働きをしていると考えるのが妥当であることがわかった.

 

耳珠は,耳介(主として耳甲介)の働を補い,3KHz以上において利得を得,特に聴覚における子音の弁別に必要31)とされている周波数域(36KHz)の音圧増幅に役立っており,言語聴力32)にも重要な働きをしていると考えられる.また耳介の果す方向知覚33)34)に対しても耳介の利得を上げることにより,何らかの働きをしていると考えられる.

 

(注31)

 

 大和田健次郎:補聴器と周辺器機 耳鼻咽喉科53:913981,1981.

 

耳珠のある能動耳介システムとその動作について

 

Active pinnae with tragus and their motion公文誠,尾堂航,木元大輔

 

Makoto KUMON,Wataru ODO,Daisuke KIMOTO 熊本大学大学院自然科学研究科

 

(注32)

 

 広田栄子,: 補聴器と裸耳の明瞭度との比較.

 

Audiology Japan 27:124124,1984.

 

(注33)

 

 ShawAG: Transformation of soundpressurelevel from the freefield to the eardrum in the horizontal plane.

 

J Acoust Soc Am 56:1848`1861,1974.

 

(注34)HicksonFS,etal:SoundlocalizationpartI:Abriefhistory.JlaryngolOtol95:29`40,1981.

 

 

 

耳鼻臨床 78:1(耳殊の効果に関する研究)  耳珠のはたき 795ページ

 

9 外耳道モデル(プ ラスチ ック製)の 実験及び結果.

(a. 外耳道モデルの利得b. 耳 甲介モ デル(clay model)を 附加 したときの利得c. 耳珠 モデル(clay model)を 附加 したと きの利得d. 耳介 モデル(耳 甲介及 び耳珠のないclay model)を 附加 したと